
はじめに
Contents
ミステリアスで、常に何かを企んでいるような雰囲気を持つアベンチュリン。カンパニーの一員らしく、いつもシャツを着こなしていますが、そのデザインは一般的なワイシャツとは全く異なり、不思議な模様や構造が特徴的です。
前回のハット作成に続き、今回はこのアベンチュリンのシャツを作成した過程をブログに記録しました。素材選びからデザインの工夫まで、ぜひ楽しんで読んでいただければと思います。
1. シャツに適した発色がいい生地

アベンチュリンの名前の由来である天然石のように、深みのある緑色がこのキャラクターの衣装には欠かせません。その緑色も一種類ではなく、少なくとも5種類の異なるトーンが衣装に使われています。
シャツに使う生地を選ぶのには特に苦労しました。ジャケットの裏地よりは光沢が少なく、マットすぎない質感。ユザワヤで見つけた「コスチュームツイル」という生地が、理想の色合いと質感に最も近いものでした。この生地は現在店頭で見かけることが少ないため、手に入れた当時の自分に感謝しています。
2. タイトなシャツでも脱着しやすい工夫
シャツは衣装の一番内側に着るため、重ね着を考慮して薄く体にフィットする形を意識しました。
前面には装飾が多く、ボタンやファスナーでは留められないデザインだったため、背中側にファスナーを取り付ける方法を採用しました。基本の型紙は普段着ているシャツを参考にしつつ、中央に折り目模様を再現するために自作のバイアステープを活用しました。
肩の位置から折り目をつけるため、本体の布を中央から5cmのところで切り離し、バイアステープで繋げました。袖は五分丈で、折り返し部分を別に作り、縫い込むことで丈夫に仕上げています。これにより、見た目の完成度と着用時の耐久性を両立させました。
3. シャツの襟元のディテール
アベンチュリンらしい遊び心を加えるため、襟元は尖った形状にして前方を長めにデザインしました。襟先にはCosボードを使用し、形を整えた上で合皮を張り付けて仕上げました。エアーガンで温めながら凹凸をしっかりと出し、リアルな質感を実現しました。
襟のつなぎ目はあえて切りっぱなしのデザインにし、小さなホックを付けることで、見た目と実用性を兼ね備えた仕上がりとなっています。

4. シャツの胸元に光るダイヤ
宝石を大切にするカンパニーの一員として、胸元には砂金石のように輝くダイヤが装飾されています。これはレジン液を何度も調整し、試行錯誤の末に完成させた特注品です。キャラヌノ様のブログ記事(こちら)を参考にさせていただき、納得のいく仕上がりになりました。
また、ダイヤの上には逆向きのハート形の穴が空いています。この縁はCosボードで作り、温めながら形成しました。内側には肌色に近いフェルト生地を貼り付け、着用時に自然に見えるよう工夫しました。
5. シャツ下半分のデザイン
シャツの下半分は黒地で、山なりに金のテープが装飾されています。この部分には光沢を出すために公爵夫人のサテンを使用しました。ただし、胴回り全体を硬い生地で覆うと着心地が悪くなるため、前面にのみサテンを縫い付け、ベストを着た際にちょうど良いバランスになるよう調整しました。

おわりに
いかがでしょうか?
只の会社員でも重役でもない、自由奔放でミステリアスなアベンチュリンらしさを表現したシャツに仕上がったと思います。
実は、スーツスタイルの服装があまり得意ではない私ですが、このシャツは作っていて本当に楽しかったです。着用するだけでワクワクするデザインと着心地の良さを両立させたこのシャツを、これからのイベントで存分に活用したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!